ときどき、認知症の親御さんを、子供が怒っている姿を見かけます。
謝る親、喧嘩になっている親子、見ているとそんなに怒らなくてもと思いますが、その気持ちはよくわかります。
私の母も、短期記憶能力が非常に落ちていて、今起きたことをすぐ忘れて、繰り返して同じことを話します。
同じことを間違えます。私は全然ボケていないと言い張るし、人の話は聞きません。
年賀状は普通に書けるのですが、届いた年賀状の束を、上から読んで後ろに回し、ずっと読んで一周したのにまた、へーこの人元気なんだとか、お孫さんが大きくなったんだってと言いながら、延々と繰り返しています。途中でもう終わりと言わない限り、多分ずっと読んでいるのかもしれません。
先日3年ぶりに、家族全員で母の自宅のすぐ近くの温泉に行きました。
場所が変わるといろんなことが覚えられず、なかなか大変でした。記憶に残らないので、母にとっては何でも初めてなのです。
毎年誕生日のお祝いをしていても、こんなにお祝いしてもらったのは初めてと、ここ10年位、言っています。
短期の記憶ができないという感覚は分かりませんが、話を合わせてそうだねー、そうだねー、よかったねーと言うことが、1番良いのだろうと思います。その瞬間瞬間を、いい気分で過ごせるようにすることが大事なのでしょうね。
温泉旅館で、お部屋のお手洗いの場所が覚えられず、誘導していましたら、ときどきタタタタって少し出ちゃうんだよね。と言っていました。でもまたすぐに忘れてしまい、私はしっかりしているから、漏らしたりしないのよ。となります。
筋肉の問題だから、しっかりしていても関係ないから。年を取れば、筋肉が減るのはあたりまえだけれど、骨盤底筋が痩せないように、明日またエムセラに座っとこうと思いました。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子