嫌いな食べ物にアレルギーがあるのならまだしも、好きな物なのに食べると具合が悪くなるというのは、何とも辛いことですよね。
皮膚が痒くなったり、赤くなったりは軽い方ですが、中には口の中が腫れたりおなかが壊れたり、呼吸困難を起こしたりすることもあります。
食物アレルギーが心配な場合は、やみくもに制限するのではなく、まず食べて怪しい物を避けていきましょう。小さいお子さんの場合は、お母さんが食事日誌をつけます。食べたものを書いた横に、赤くなったとか、痒くなったとか、お腹を壊したとか、鼻づまりが起きたというように食べた後の変化を記録します。
授乳中のお子さんであれば、お母さんの食事も記録します。少なくとも2週間、できれば1カ月続けて記録してみましょう。その結果、どうも合わないようだと考えられた食物は、しばらく避けてみましょう。
食物アレルギーは、小児期にきちんと対策をたてておく事が大切です。合わない物を避けている内に、アレルゲンとしての反応が薄れて食べられるようになることもあります。
時々、牛乳だけ、ヨーグルトだけ、パンだけ、納豆だけというように、同じ物をたくさん続けてとるお子さんを見かけますが、これはアレルギーを獲得しやすくなるので注意しましょう。
20年くらい前からOAS(Oral Allergy Syndrome)と呼ばれる状態を起こす方が増えてきました。りんご、梨、桃、さくらんぼ、ビワ、イチゴなどバラ科の食物の他、キウイ、メロン、カキ、スイカ、トマト、ミカン、パイナップルなどで、口やのどが痒くなったり痛くなったり、腫れてのどが詰まる感じになる等の症状が出ます。
野菜やナッツ類でもOASを起こす方もあります。火が通っていたり、凍らせると反応が起きないこともあります。
シラカバやブタクサの花粉症がある人に起こりやすく、花粉に含まれる抗原となる物質のある部分と、果物、野菜のある部分が似ているために反応して起こる症状なのです。
思い当たる方は一度、耳鼻科やアレルギー科または呼吸器科で診断を受けておくことをおすすめします。
未知のアレルギーで被害を受けないための注意としては、何かを食べる時は、始めからゴクゴク飲んだりパクパク食べたりせずに、まずほんの一口味わって、口の中が腫れたり詰まったりしないか確認しましょう。
次回は、遅延型食物アレルギーの話をしたいと思います。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子