多くのアートメークの施術をしている施設で、2回しないと色がつきませんと当たり前のように言っている理由はちゃんとあります。
アートメークとは、1回では色が入らないものと説明していることが多いのですが、原理はシミができるときと同じです。
シミは、日々の日焼けや肌への刺激が元になっていますが、シミの元が真皮の浅いところに少しずつ落ちていく過程では、表面からはシミとして認識できません。
しかし段々に色素が沈着していき、ある程度の量になったときに初めて、上から見てシミがあるということに気づくわけです。
なので、最近になって目立ってきたというシミも、実はかなり前からの蓄積と言えます。このことから、表面から色が見える状態になるまでには、長い時間かかると言うことがわかります。
アートメイクの場合は、人工的に皮膚の表面から、真皮の浅いところあたりを目指して、色素を入れていきますが、一回では色素の量が簡単には定着せず、表面から色として認識されるまでには、それなりの時間と色素が必要と言うことです。
1回目を施術した1ヵ月後の眉をよーく観察してみますと、わずかに色素が見えます。つまり、重ねて色素を2度目3度目と入れていくことで、真皮の浅いところに色素が残っていきます。
入れた色も、ある程度は出ていくわけですが、色素の量が多くなっていくと、はっきりと色が定着するわけです。なのでアートメイクに関しては、1回では色が発色しません。2回施術、さらにもう1回必要な場合があると言うことになります。
また、皮膚の新陳代謝が良い方は、異物を除去する力も強いと考えられて、色が入りにくい傾向があります。髪が染まりにくい方も、色が入りにくいことがあります。
というわけで、眉のアートメークは、2回は必要になります。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子