ついにまた花粉症の季節がやってきました。暖かい日が数日続くと、スギは我が物顔に飛びますね。昨年の夏は、本当に暑かったから、予想通り花粉は大量飛散しそうです。都内はまだ飛散量は少ないです。とはいっても、花粉症はアレルギー。花粉の量に関係なく、少しでも飛べば反応してしまいます。だから少ない日でも、対策は万全にする必要があります。
毎年、辛い思いをしている方は、まだ症状が出ていなくても、やはり早めの内服をお薦めします。2 月の中旬位からは飛散量が増えますから、油断せず、1日も早く飲み始めましょう。まだ全く症状が出ていないという方は、お薬を飲むことに抵抗があるかもしれません。その場合は、1日朝夕2回飲むクスリを、朝1回、または夕1回だけでも飲んでおくとかなり有効です。
6年ほど前に私のクリニックで、抗アレルギー剤を花粉症対策に使った患者さんのデータをとった事がありました。「花粉症の症状が出る前から内服したグループ」、「症状が少し出てから内服したグループ」、「症状がひどくなってから内服したグループ」に分けて、内服の時期と効き目の関係について調べました。その結果、「症状がひどくなってから内服を始めたグループ」は、症状が落ち着くまでにしばらく時間がかかりましたが、「症状が出る前から内服を開始したグループ」は、花粉が一番飛んだ時期に、症状がひどくならなかったということがわかりました。
また、このグループでは、症状が出る前から用心して通常量を内服した人も、症状がまだ無いから、半量で始めた人も症状がひどくならなかったという点で、差はありませんでした。 また、どのアレルギーの薬でも同じ結果となり、薬の種類によらず、早期の内服が早めの対策になるということがわかりました。毎年、新しいアレルギーの薬が発売されていますが、少量の内服から始め、少し足りていない気がし たら増やすという方法をとると良いと考えています。
更に辛くなったら、漢方薬や抗ヒスタミン剤を症状に合わせて追加します。女性は抗アレルギー剤で眠気が出る方も多いので、日中に眠くなり支障がある場合には、夕方から夜に集中して内服する方法や、1錠を更に半分にして、血中濃度をうまく保ちながら内服する方法もあります。また、症状が強い時間に合わせて内服する方法もあります。辛いのを我慢して元気が無くなってしま わないように、自分に合った内服の方法を探しましょう。
根本からの改善を願うのであれば、日頃から身体の免疫力を高めておくことが大切です。栄養のバランスを考えた食生活と、適度な運動と、睡眠の充足をいつも忘れずにいきましょう。今年の花粉もきっと悪さをするはず。早くに対策を立てて、お健やかにお過ごしくださいね。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子