季節の変わり目になると、洗っても洗っても頭皮の痒みを訴える方や、頭皮が油っぽくなったり、ふけが多くなったりする方が増えます。これは脂漏性皮膚炎といって、簡単に言うと自分の皮脂に負けるようなかぶれを起こしているのです。
皮膚には常在菌が何万とあります。代表としては、表皮ブドウ球菌とアクネ桿菌(かんきん)とカビがありますが、この常在菌のバランスが崩れると、にきびになったり、脂漏性皮膚炎になったりします。
脂漏性皮膚炎では、この内のカビが表皮の表面に増え、痒みや湿疹の原因になっています。頭皮は脂漏部位なので、全体に皮脂が多く、皮膚としては丈夫なのですが、皮脂が出すぎると守りを通り越して悪い方に働きます。
同様にこの脂漏性皮膚炎は顔にも起こり、Tゾーンや眉や生え際に、赤みや痒みや皮が剥けるなどの症状を引き起こします。背中の中心部や耳、陰部の被毛部にも同じような症状を出す事もあります。いずれも皮膚に常在するカビが影響していますから、カビを沈静させる外用剤が良く効きます。硝酸ミコナゾール入りの物が一般的に使われます。
シャンプーにも硝酸ミコナゾール配合の地肌用のものがありますから、試してみてください。効果は期待できますが、かなり皮脂を除去してしまうので、予洗いの後に少量で地肌だけを洗うようにしましょう。使いすぎると地肌に乾燥が起こり、それもまた痒みの原因になります。
治療をすれば治る皮膚炎ですが、体力が落ちていたり内臓疾患のサインとして急に現れる事もありますので、自己判断をせずに皮膚科を受診してみましょう。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子