暖冬とはいえ、寒くなるとともに、痒みに悩む方がとても増えてきました。先日、電車の中でボリボリ掻いている母子に遭遇しました。「掻かないで保湿してー」と言ってあげたかったです。あの母子、今も掻いているかもしれません
乾燥肌の方に限らず、カサカサして辛い季節です。乾燥は美人肌の大敵です。乾燥はつらい痒みだけでなく、しみやしわの原因にもなりますから、しっかりケアしましょう。
今回は、なぜ冬になると痒くなるのかについてお伝えします。
痒みが起こるメカニズムは、まだはっきりはわかっていません。ヒスタミンという物質が、知覚神経に作用してかゆみとなり、脳に伝わる時に同時に皮膚の方にも伝わり、神経ペプチドという物質を放出させ、これがまた肥満細胞を刺激して、ヒスタミンを分泌させます。
なので、掻けばまた痒いというスパイラルが回り始めるのです。痒いからといって掻き続けると、バリア機能が壊れていきます。
乾燥しているという状態は、網目状に重なって皮膚の一番外側を守っている角質層が剥がれ始め、角質の隙間が広がり、皮膚のバリアが弱くなっている状態です。そのため皮脂も減ってしまいます。自分の皮膚に備わっているはずの天然保湿因子などが外に出てしまい、潤いがなくなってしまいます。
また外からも環境抗原など、皮膚を刺激するものが侵入しやすくなります。この弱ったバリアを元通りにできれば、皮脂のバランスも安定し、乾燥がなくなり痒みも徐々に減ります。
次回は痒み対策についてのコラムをお届けします。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子