前回は、なぜ冬になると痒くなるかについてお話しましたが、今回は、痒みの対策についてです。
乾燥がひどい方は、まずは一度石鹸を使うのを止めてみましょう。石鹸は部分的にサッと使う位で充分です。皮膚は元々排泄機関ですから、ゴシゴシ洗わなくても、汚れはちゃんと出ていきます。
生きている限り、本人の体調にかかわらず、新陳代謝は毎日行なわれています。なので、毎日新しい皮膚が生まれています。しっかり洗わなくてもちゃんと綺麗になっています。
痒いのは、汚れているからではないのです。いつもそっと洗います。決して擦らない事です。痒いかゆいと言って、ナイロンタオルでごしごし洗ったり、垢擦りをしてはいけません。タオルは使わず手で撫でるように洗います。
お湯の温度はぬるめ、38℃位が皮膚を痛めません。長湯は禁物です。乾燥が強い時は、シャワーをお薦めします。洗った後は、必ずクリームや保湿剤で保湿します。オイルでもワセリンでも、しみたりチクチクしなければ、何を塗ってもかまいません。
とにかく保湿。2~3時間おきに、重ねて塗ります。乾燥が強ければ、1時間に1回でもかまいません。重ねて塗っても、お風呂では手でそっと流すだけで充分です。
お風呂の目的は、皆さんいろいろあると思います。冷え性の方は、長く入って足腰を温めたいでしょうし、ゆっくりつかってリラックスしたい方もいらっしゃるでしょう。
でも皮膚の事を最優先して考えると、温めない事、擦らない事が大事です。100万回とは言いませんが、そのくらいの意気込みで保湿をして、皮膚を守っていただきたいです。もちろん生活に支障があるような痒みなら、我慢せずに皮膚科受診をお薦めします。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子