花粉症はアレルギー。花粉の量に関係なく、少しでも飛べば反応する方が多くなります。だから少なくても多くても、対策は万全にする必要があります。
毎年、辛い思いをしている方は、まだ症状が出ていなくても、早めの内服をお薦めします。2月の中旬位からは飛散量が一気に増えます。油断せず、1日も早く治療を開始しましょう。
まだ全く症状が出ていないという方は、お薬を飲むことに抵抗があるかもしれません。その場合は、1日朝夕2回飲むところを、朝1回、または夕1回だけでも飲んでおくとかなり有効です。
10年ほど前に私のクリニックで、塩酸オロパタジンという抗アレルギー剤を花粉症対策に使い、患者さんのデータをとった事があります。
患者さんを「1.花粉症の症状が出る前から内服したグループ」、「2.症状が少し出てから内服したグループ」、「3.症状がひどくなってから内服したグループ」に分けて、内服の時期と効き目の関係について調べました。
その結果、「3.症状がひどくなってから内服を始めたグループ」は、症状が落ち着くまでにしばらく時間がかかりましたが、「1.症状が出る前から内服を開始したグループ」は、花粉が一番飛んだ時期に、症状がひどくならなかったということがわかりました。
また、この1.のグループでは、「症状が出る前から用心して、通常量を内服した人」も、「症状がまだ無いから少なめに内服したいと、半量で始めた人」も症状がひどくならなかったという点で、差はありませんでした。
その他の抗アレルギー剤を内服した人達も同じ結果となり、薬の種類によらず、早めの内服が対策になるということがわかりました。
次回はスギ花粉症の薬の飲み方の工夫についてお届けします。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子