臨床の場で花粉症の患者さんに接すると、いろいろ発見があります。同じスギの花粉のはずなのに、鼻の症状が強い年もあれば、目の訴えが激しい年もあります。
毎年何が違うのか。
スギ花粉を拡大してみると、他の花粉に比べて粘膜に付着しやすい構造をしているということはわかっています。
私は植物の研究家ではないので想像でしかないのですが、おそらく、みかんやリンゴなど果物の果実がたくさんとれる表年と、あまり取れない裏年があるように、スギ花粉にも表年と裏年があるのでしょうね。
花粉の育ち方で鼻に付着しやすかったり、目に悪さをしたりなのでしょう。
果実は植物ホルモンや、光合成で作られた糖によって、表と裏の調整をすることができるらしいのですが、願わくはスギ花粉は毎年、減らす方向にして欲しいですね。
寒さのピークを超すと、スギ花粉は飛び始めます。今期のように、もう寒いのはこれが最後かと思ったのにまた冷え込むと、その度にたくさん飛んでいるのでしょう。
さて、診察室にもどります。
今年は目が痒~い!方が多い年のようです。まぶたを冷やすのも痒みには効果的ですが、コンタクトレンズの方に使いやすい点眼薬もありますから、目を擦らず、点眼して、痒みが去ってゆくのを待ちましょう。
粘膜からのウイルスの侵入も加味して目を触らないようにしましょう。今からでも治療は充分可能です。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子