毎日、アレルギーで痒い患者さんが来院されます。
自粛の間はずいぶん落ち着いている方が多かったようです。外気にふれない、外食が減る、睡眠時間の確保、ケアできる時間が充分にある、また、通勤のストレス、対人のストレスが減っていたことも大きかったのでしょう。
最近、元の生活に戻りはじめたのと、高湿、汗の影響で徐々に悪化し始めている様子です。
アトピー性皮膚炎患者さんの数%に薬が効かないタイプがあります。内服してもしないよりは少しいいくらいで、痒みが抑えられている感は薄く、強めのステロイド軟膏に変えても痒みの発作が起こると、掻かずにいられない、掻いてはいけないことはわかってはいるけれど、皮膚が削れるほど掻いてしまう。を繰り返してしまいます。
蚊に刺されても我慢できないくらい痒いのに、全身が痒いのは集中力が保てませんし、生活の質が落ちます。
自力で治そうと突然薬を全て止めて、危険な状態になることもあります。物事には段階がありますから、突然思い立って。はお薦めできません。
ステロイドを薦める医者が良いとか悪いとかではなく、患者さんの生活を見つめながら、共に治療していける位置に皮膚科医が立てると良いと考えます。
アトピー性皮膚炎の権威といわれている医者も、メカニズムには詳しくてもその痒さを経験したことはないわけですから、同じ辛さで痒みと戦えないのだと常々思うところです。
次回は対策を考えてみたいと思います。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子