薬が効きにくいアトピー性皮膚炎をどう治療するか、ステロイドを使いたくない患者さんをどう見守るか。これは皮膚科医にとって大きな課題です。
掻かなければ良くなるというのは、確かに真なりだと思いますが、掻かずにいられない発作のような痒みに襲われると眠れない、寝ながら掻いている。
寝ているときの力は強くて、えぐるくらいに掻くので、朝起きたときには爪の間に皮膚が詰まっている。
起きていても掻破行動(そうはこうどう)といって一定時間掻き続けてしまう。などなど、掻けば掻くほど、また痒みを誘発すると言われ、痒みの連鎖が起こります。
いろんな意見はあると思いますが、今回は私見を3つ書いてみます。
対策1.自分の痒みのパターンを確認してください。痒い時間帯、痒みの継続時間、痒みのインターバル、痒みの始まる部位、その時々の痒みを誘発したもの。
夜、帰宅した頃から始まり、腕を中心に、30分くらい掻き続けて、1時間おきに繰り返すなど。確認することで痒みの対策をとりやすくなります。
対策2.腸内環境を徹底的に調えてください。よく噛んで、食べすぎない。合わない食材はもちろんですが、糖分は極力控える。
ビタミンは果物ではなく野菜から摂取する。糖分のとりすぎは腸内細菌叢を壊します。果物は種類によっては糖分が多いものがあります。
対策3.ストレスになっているものを列挙してみてください。
合わない環境、合わない人、心配ごと、不安なこと、ありますよね。毎日の当たり前ときちんと向かいあってみましょう。
まずはこの3つを確認してください。詳細と続きは次号で。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子