小さな子供の手、傷つきやすいのです。すぐ爪がかけたり、ささくれからバイ菌が入ったりします。皮膚の抵抗力も、小学校5年生位までは、大人の半分くらいしかありませんから、ミズイボやトビヒもすぐできてしまいます。爪の形や指の形、特に足の趾の形は、小さい時にある程度決まってしまいます。
今回は子供のうちにできる、手足のゆびや爪を守る注意をお話しします。余談ですが、皮膚科学では手のゆびは指、足のゆびは趾という漢字を使います。爪の形や色は遺伝もありますが、爪の切り方やケアで、丈夫できれいな爪にすることができます。
爪を切るときは、爪の根元に負担がかからないように、爪切りではなく、ヤスリで削ります。できれば爪の根元を押さえて、同じ方向に削ります。よく白いところを全部切る方がいますが、それは切りすぎです。指先の皮膚とすれすれの高さにそろえます。足の爪は陥入爪(かんにゅうそう(深爪))になりやすいので、爪の両端の角を切らずにスクエアに整えます。
また子供の足の趾(ゆび)はとても軟らかく、靴によって簡単に変形します。多少靴が小さくても、子供は靴に合わせて趾を折り曲げて履いています。趾が折れ曲がって、ハンマートゥと言われる状態になります。足が成長する時期に、足の大きさに合わせて靴のサイズを変えていかないと、ハンマートゥになりやすくなります。ハンマートゥは、足の趾に負担がかかる高いヒールの靴でも起こりますので若い女性にも多いですが、子供の時から足をよく観察して守っていきましょう。
ハンマートゥになると足のアーチも崩れ、姿勢が悪くなったり、将来的には膝の痛みや腰痛が起こる可能性があります。入浴時などに足の趾(ゆび)を一本ずつ回してマッサージをしたり、足の趾でグーパーしたりを続けていくと、趾は少しずつ元の状態に戻っていきます。今夜お風呂に入ったら、自分の足をよく観察してみてください。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子