乳房の手術をして、再建もして、そこで終わってしまう。そこから先が心配ですよね。癌を取ったらこの後再発しないのか、お薬を飲んでいるけど、本当に大丈夫なんだろうか。
他のガンでも、例えば放射線療法をして、皮膚が荒れたり、つやがなくったり、色素沈着になったりしたときに、どこで相談したらいいのかとか。そういうことのフォローをするところが、あまりに少なすぎます。
もちろん専門性は大事なので、循環器、呼吸器、消化器だとか、専門で診るというはものすごく大事なことだけれども、そこがつながっていないので、自分の専門のところが終わると、私ではもうわかりません、次に行ってくださいとなるようで。
切って、ガンが取れて、治ったんだから、傷なんかいいでしょみたいなことになる。傷痕をどこまできれいに戻すか。傷がくっつけばいい。じゃなくて、元通りに近いところまで戻せるかの相談ができない。
相談したいときに、どこに行ったらいいかとか、どうしたらいいかとかを、どの科の先生も伝えられたらいいと思いますが、うちではもう診れません、よそにかかってくださいとなってしまうこともわりと多いようなので。
ならば、ちゃんと医療機関を紹介するか、どういうところに行ったらいいのかを伝えてあげるということをしないといけない。そこをちゃんとするように、開業医の役目としては、自分の専門でないことは、どこかにつなぐか、いろんなことを診れることは当たり前ではないけれども、望ましいですね。
専門のことしか診ないことがダメではないけれども、どこかにつなぐとか、患者さんを放りださないことが大事。患者さんは説明しても、自分に都合のよいことしか聞いていなかったり、なかなかこちらの想いが伝わらないこともあるけれども、私にはわかりませんと患者さんを放り出さないこと。うちではわからないので、もう来ないでください。というようなセリフを吐かないで欲しいと思います。
一人の患者さんを自分だけで診る、ずっと一人で抱えるのはいけないと思います。二つの目より、たくさんの目で診たほうがいろいろな考えが浮かぶし、治療法が増えるからそれは必要だと思うけれど、患者さんが迷わないように、つなげていくとか、フォローしてくようなクリニックを運営したいと思います。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子