コラムの内容って、その日の診療の事や、頭に浮かんだ心配なことを書いています。なので、毎回テーマが変わりますが、お付き合いください。
今日は継続するって、ほんとに大事だよっていうことをお話ししたいと思います。
皮膚が痒かったり、痛かったりでいらっしゃる方の多くの原因は、乾燥です。乾燥というと、簡単に聞こえるかもしれませんが、乾燥は皮膚の傷です。
皮膚の傷が大きくなれば、浅い亀裂になります。それが長い間続くと、乾燥じわになり、そのうち本物のシワになることもあります。傷があれば当たり前ですが、痛くなりますし、塗ったものがしみるということが起きてきます。
日常の洗い方の習慣を変えて、薬を処方して、ほとんどの方は、1〜2週間の内に、ほぼほぼ落ち着いてきます。でもそれは、治ったわけではありません。
2週間から4週間位の間に、2回目の来院をお願いしますが、良くなったのでもう塗っていません。治りましたとおっしゃる方が時々いらっしゃって驚きます。
これは治ったのではなくて、薬が効いたから良くなっているのです。習慣を変えたから少し良くなったのです。皮膚はちゃんと元に戻るには、最低でも1ヵ月はかかります。
見た目が良くなって、痒みや痛みの自覚がなくなったとしても、皮膚は元通り丈夫になったわけではありません。でもなぜか、もう治ってしまったと思うようで、治療を止めてしまう方が多いわけです。
ファーストエイドとしての治療は、必要がなくなってきても、洗い方を変えて、保湿をがっちり。この習慣は、ずっと続けなくてはいけません。
例えば、お化粧をするときに、薄い眉毛を描きたして、短いまつげをマスカラで長くし、アイシャドーを塗って目元の印象をパッチリさせて、外に出かけるわけですが、家に帰ってお化粧を落としたら、元に戻りますよね。お化粧した顔になってしまったわけでは無いのです。
お化粧したことで、可愛かったり綺麗だったり、いつもと違う自分になっているだけです。次の日はまたお化粧をしないと、同じ顔にならないわけです。
皮膚も同じです。ちゃんとカバーして守らないと、ガサガサな細かい傷がいっぱいの皮膚に、戻るわけです。守ることを止めてはいけません。
そんなに簡単に治るなら、皮膚科医は要らなくなります。塗り続けてください。習慣にして、歯を磨くように保湿をしてください。食後に3回歯を磨くように、保湿をしましょう。
昨今の乾燥では、3回では足りないと個人的には思いますが、是非是非毎日しっかり保湿してください。継続は力なり。勉強も運動も、美肌も同じです。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子