先日、東京さくらトラム(都電荒川線)に乗っていましたら、松葉杖の若者が乗ってきました。骨折しているようです。
優先席の前に、私には背を向ける形で立っていました。
声をかけようと思いつつ、松葉杖だと座るのが大変かなぁと一瞬迷っていましたら、私の右隣のそのまた隣の若い女性が、松葉杖の方にトントンと合図をしました。
その声をかけた女性は日本人ではなく、ヨーロッパ系の方でした。松葉杖の男性は、「ひと駅なので、、」と言いながら、相手が日本語がわからないかもというニュアンスを出して、私の隣の隣に座られました。
一瞬で先をこされました。優先席もそんなに多くないですし、しかも海外から来ているだろう方に先をこされて、ちょっと私は恥ずかしかったのですが、心の中で席を譲った女性に、「ありがとうございます。」でした。
松葉杖をついている方の中には、脚が辛い他に、脳血管疾患がある方もいらっしゃいます。また、見た目に元気そうでも、いろいろ患っていることもあります。健康な人にはわからない不自由さがあります。
最近は、察するという日本人独特の技が、段々薄くなっていると言われています。思っていても、口に出して行動しないとそのまま終わってしまいます。
迷ったら進もう思いました。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子