前回のコラムでは、その方の生活をよりよくしていくために、ご自身でどういうところに気を付けていくかをお伝えする「ライフデザインカウンセリング」についてお話しました。
今回は、患者さまの調子を底上げる点滴や、注射、切ったり貼ったりしない、痛みの少ない美容施術など、当院のシニア向け“マイルド美容”をご紹介したいと思います。
シニア向けの美容治療で気を付けていることは、若い人と同じような仕上がりというのではなくて、自然に見える、ちょっと元気そうに見えるというところです。
どうしても、シワのでき方によって不機嫌そうに見えたり、怒っているように見えたり、寂しそうに見えたりしますので、それをなくすような感じです。
例えば、ボトックスは、どこに注射するかはある程度決まっています。眉間、おでこ、口元であればこのあたりにと。それは筋肉がみんなほぼ同じようについているからです。
でも年を取ってくると、筋肉が薄くなります。そうすると、効き具合が違ってきます。ボトックスは65歳ぐらいまでといわれていますが、実際にはそんなしばりはなく、65歳以上の方にも効きます。ただ同じように注入しますと効果が違ってきます。
そのことをわきまえて、加減して注入することが大事です。その加減を調整するというのは、結構手間がかかります。どういうシワができているか、おでこなどはすぐ下が骨なので、筋肉があまりない方などは調整が難しいです。
そういう方は、細かいシワがたくさんできるわけですが、そこをうまく、シニア向けに治療するということに気を付けています。
PRP療法による、しわ、たるみ治療もそうですが、本人がどう臨むかにもよりますが、常識の範囲で自然にという注入治療ができればと思っています。手間がかかることではありますが、どうしたいかをしっかり確認して、さりげなく効果を出す治療が必要だと思っています。
エムセラという医療用機器を使った尿失禁治療では、「お芝居を見に行くのに、幕間に走ってトイレに行かなくてよくなった。」「筋肉がほぐれるので歩きやすくなった。」などという声をよくいただきます。
また、ニンニク注射、美白注射を打ちに来ている方も多いです。肝機能をアップするので元気にもなります。
眉アートメイクは、プールやジムに行かれているシニアの方に好評です。毎日ジムに行かれている方もいます。「汗をかくと、眉毛が落ちてしまうし、お風呂に入るととれちゃうから嫌なのよ。」とおっしゃいます。
シニアのアートメイクは、寝ているときと、起き上がったときにでは、眉の位置が変わるので、その変化を見ないとずれが起こります。そのあたりも注意して施術をする必要があります。
しみや張りの光治療、またシニアの方の医療IPL脱毛は、介護脱毛でVIOのニーズが多いです。
がん治療と並行しての高濃度ビタミンC点滴の需要も多いです。化学療法や手術に積極的な病院でも、術後のフォローがないと訴える患者さんは多いです。がん治療の点滴で吐き気があったり、抵抗力が落ちてしまう。そういうときに平行してビタミンC点滴をしたり、1クールが終わり、次までの間に抵抗力をあげるのにビタミンC点滴をされる方もいらっしゃいます。
遅延型食物アレルギー検査も行っています。私は以前口内炎がいつもできていたのですが、自分の検査をしたら、いろいろなものに反応していて、乳製品は全滅でした。チーズも好きでしたが、全面的にやめましたら、全く口内炎がでなくなりました。イレウスにもなりました。食べ物があっていなかったのです。
患者さんの中には、大量に食べるわけではないのに、小麦が全体的にダメで、動悸が起きるという方もいらっしゃいました。
原因が見つからない不調の中に、食物アレルギーが時々あります。ご自身の食物アレルギーを知っておくことは、自分を守ることにつながります。
美容施術の敷居が高いと思っている方でも、点滴や食物アレルギー検査からでも始められます。ちなみに当院は都度払いがほとんどですから、「セットを組んだので仕方なく続けています。」ということにはなりません。
自分の調子を底上げしましょう。皮膚が荒れているときに美容施術をしても刺激になるだけです。ある程度皮膚を丈夫にしてから施術すると、効果が上がります。自分でもケアしながら月1回でも続けていくと、見違えるぐらいになります。
皮膚を綺麗にする、丈夫にするという美容には、ぜひ多くの方に挑戦して欲しいと思います。
私のクリニック目白
院長 平田 雅子